猫の粟粒状皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん) の家庭療法

orange tabby cat on brown parquet floor

主なポイント 

  • 猫のかさぶたの原因には、皮膚の傷からの他、乾燥肌、湿疹、炎症などがあります。ほとんどの場合、危険はありませんが、症状が悪化していないか気にかけておくことをおすすめします。
  • 中には、アレルギー、寄生虫、ニキビ、天疱瘡、皮膚がんなどが原因となることがあります。
  • 猫のかさぶたには、ストレス性のかさぶた、あごのかさぶた、季節外れのかさぶた、頭や耳の近くのかさぶたなど、さまざまな種類があります。
  • 自宅で猫のかさぶたを治療したい場合は、ドライオートミールシャンプー、ココナッツオイル、ノミ取りパウダーなどを使用したり、オメガ3脂肪酸を猫の食事に加えたり、エプソムソルトのお風呂に入れたりしてみましょう。

猫はよく体を掻いていますが、猫にかさぶたができると、「あれ?どうしたんだろう」と私たち飼い主は少し心配になりますね。かさぶたの大きさ、種類、かさぶたができる体の場所はさまざまです。かさぶたを適切に治療するためには、その原因とペットの症状を知ることが不可欠です。また、猫が新たな皮膚疾患を発症した場合は、必ず獣医に相談する必要があります。通常、かさぶたは危険ではなく、自宅で簡単に治療することができますが、あなたの猫が完全室内飼いである場合は、特に獣医に相談することが重要です。

猫のかさぶたとは?

猫のかさぶたや粟粒状皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)は、猫の皮膚に乾燥した斑点や病変が生じる皮膚疾患です。粟粒状皮膚炎にはさまざまな種類がありますが、症状はどれもほぼ同じです。猫の皮膚の一部にかゆみを伴う発疹ができ、その皮膚を猫が過剰に舐めたり噛んだり引っかいたりします。ほとんどの場合、かさぶたは危険ではありませんが、この症状を放置しておくと、猫の毛が抜けてハゲてしまうことがあります。

猫のかさぶたの原因は?

猫のかさぶたの最も一般的な原因は、アレルギー、ノミによる咬傷、激しい毛繕いです。また、引っ掻き傷や切り傷、他の動物との喧嘩、白癬、疥癬、猫のニキビ、皮膚癌、天疱瘡、好酸球性肉芽腫複合体なども猫のかさぶたの原因となります。 

猫のかさぶたの種類

猫の背中と首のかさぶた

背中や首のかさぶたは最も一般的なタイプで、猫がノミに刺されて過敏になっていることを示しています。あなたの猫にノミがいる場合、ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こしている可能性があります。これらのかさぶたは非常にかゆく、ペットに極度の不快感を与えます。ノミに感染した猫は、以下の症状の一部またはすべてを経験します。

  • 攻撃的な引っ掻きや噛みつき
  • 頻繁に首を振る
  • 過剰な毛繕い
  • 抜け毛
  • 無気力
  • 家の中の特定の場所を避ける

ストレスによるかさぶた

猫はストレスを感じると執拗に毛づくろいをする傾向があり、その結果、かさぶたや病変ができてしまうことがあります。あなたの猫がストレス性のかさぶたに悩まされているとします。その場合、「トイレを使わない」「食欲がない」「無気力」「過剰な毛繕い」「下痢」「震え」「引きこもる・隠れる」「家具を壊す」「まとわりつくような行動」などの症状も出てきます。 

猫の頭や耳の近くにできるかさぶた

brown and white cat猫の頭や耳の近くにかさぶたがある場合は、食物アレルギーの可能性があります。猫の食物アレルギーの最も一般的な症状は、嘔吐、咳、くしゃみ、被毛の脱落、過剰な引っ掻きなどです。ペットがアレルギーに悩まされるのは、免疫力が低下している場合や、家の中で常にダニと接触している場合などが考えられます。ペットがアレルギーを持っているかどうかを調べるには、獣医に連れて行って検査をしてもらうのが一番です。

季節外れのかさぶた

季節を問わない猫のかさぶたは、通常、皮膚炎やアレルギーが原因です。もしあなたの猫がそうであれば、シャンプー、薬、石鹸など、反応を引き起こしている可能性のあるアレルゲンを排除する必要があります。また、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、咳などの他のアレルギー症状が出ていないかどうか、猫の様子を観察する必要があります。

あごのかさぶた

猫のニキビは通常、あごの下にニキビの粒の集まりとしてかさぶたができます。猫のニキビの原因は不明ですが、科学者の中には、食生活の乱れやストレスが原因でこの症状が発症すると考えている人もいます。ニキビが炎症を起こすと、ペットに腫れや不快感を与えてしまいます。プラスチック製の食器にはバクテリアがたまりやすいので、ペットのボウルをガラス製、磁器製、ステンレス製の新しいものに変えるのも効果的です。

猫のかさぶたの予防

愛猫の体調、環境、行動を観察することが、かさぶたを作らないための最善の方法です。しかし、あなたの猫が粟粒状皮膚炎を発症しないようにするために、他にもできることがあります。

  • ノミがいない環境を作る
  • ペットの食事にオメガ3脂肪酸を加える
  • 猫の食事にはアレルゲンを含まないようにする
  • ペットが安全に遊んだり運動したりできるようにする
  • 過剰に毛繕いしたり、引っ掻いたり、舐めたり、痒がっていないかをチェックする

猫に「かさぶた」ができたら、家でできること

愛猫の皮膚のかさぶたに悩まされている飼い主さんは、まずはその「かさぶた」の原因を突き止め、愛猫の環境からその原因を排除する必要があります。猫がかさぶたを傷つけてしまうと、治りが遅くなってしまいますので注意してください。治癒を早め、猫の皮膚からかさぶたをなくすために自宅で試せることをいくつかご紹介します。

brown and white ceramic bowl

  • ドライオートミールシャンプー – オートミールには鎮静作用があるので、ドライオートミールシャンプーを使うと、皮膚に問題がある猫にはとても有効です。また、このシャンプーを自宅でDIYするのは難しくありません。オートミールを約120度のオーブンで焼くだけです。ひたひたの水をオートミールにかけてオーブンに入れ、うっすら焦げ色が出るまで焼き続けるだけです。オートミールを冷ましてから、患部の周りに塗りつけます。その前に猫のブラッシングを忘れずに。 数分間放置した後、ブラッシングするか、拭き取ります。
  • カモミール – この植物は、抗炎症、抗ウイルス、抗菌、抗真菌作用があることで知られていますので、猫の皮膚にもいい効果をもたらします。カモミールオイルは、かさぶたを柔らかくし、清潔に保つ効果があります。カモミールを煎じた温湿布を作って、猫の肌に塗るのもいいでしょう。
  • 温かいタオルを巻く – このシンプルな方法は、かゆみを和らげ、かさぶたを柔らかくするのに役立ちます。清潔なタオルをぬるま湯に浸して絞り、猫が許す限り患部をタオルで包むだけでOKです。
  • ココナッツ・オイル – 肌を落ち着かせ、栄養を与えるには、ココナッツ・オイルが最適です。猫の皮膚の炎症部分にマッサージすることで、猫の痛みや不快感を軽減することができます。
  • エプソムソルト – 皮膚の炎症を和らげる方法として、安く気軽に試せるため、人気のある方法です。エプソムソルトを入れたお風呂に猫を入れるだけでOKです。溺れないように必ず大人が付き添って、お湯の量にも注意してください。塩が腫れを抑え、お湯がかさぶたに潤いを与えます。
  • アロエベラ – この不思議な植物には、抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用、痛みを和らげる作用など、多くの健康上のメリットがあります。アロエの葉を切り取ってスライスし、ジェルを抽出するだけです。ただし、着色料や防腐剤などが添加されていない100%純粋なアロエであることを確認してから購入してください。アロエベラを摂取すると中毒を起こす可能性があるので、猫が炎症箇所をしきりに舐めている場合は使用しないでください。

ここでは、かさぶたの原因に応じた他の療法を紹介します。

ノミによるかさぶた

猫にかさぶたができたら、まずノミやシラミ、ダニなどの寄生虫がいないかどうかをチェックします。

傷薬を塗る

ステロイド外用クリームは、かゆみや痛みを和らげ、猫がかゆい部分を噛まないようにすることができます。しかし、外用薬にはさまざまな種類があり、どれを使えばいいのかは獣医師にしかわかりません。代わりに内服薬が処方されることもあります。

その部分の保護

お薬を塗った部分を愛猫が引っ掻かないようにするために、包帯の使用を検討してもよいでしょう。そうしないと、ネコちゃんがかさぶたを刺激して出血してしまうからです。絆創膏は、獣医さんに手伝ってもらうか、自分で貼ることもできますが、可能なら獣医さんに教えてもらいましょう。 

エリザベスカラーの使用

コーンを猫の首に巻いてもらうと、かゆみに対処できる場合があります。さらに、猫が患部を舐めるのを防ぎ、治癒プロセスを早めることができます。

ノミ取り粉を作る

brown and white flower illustrationノミ取り粉は家でも簡単に作ることができます。重曹と塩を1:1で混ぜるだけです。カーペットや猫が過ごす場所に作った粉をかけます。この粉は、ノミの幼虫や卵を乾燥させることで、家の中のノミの数を減らしてくれます。

シダー(杉)チップを使う

ノミはシダーチップの匂いを嫌うので、植物の中や、猫の遊び場や寝床の周り、裏庭などに置いておくと良いかもしれません。

アレルギーが原因のかさぶた

食物や植物

ノミやダニが原因でない場合は、ネコちゃんに何らかのアレルギーがあることが考えられます。猫の食事を変えたか、家の中で何か新しいものを買ったかを思い出し、それを取り除きます。猫のアレルギー反応の原因を特定するには数週間かかるかもしれませんが、特定できたらすぐに、そのアレルゲンに猫が近づかないようにしましょう。また、オーガニックで栄養価の高いキャットフードに変えてみるのもいいでしょう。

シャンプーを変えてみる

アレルギーの原因がわからない場合は、猫用のシャンプーのほか、石鹸、柔軟剤、洗濯用洗剤などがペットに合っていない可能性があります。別のメーカーものに変えてみてください。

オートミールのお風呂

猫をオートミール風呂に入れてあげると、皮膚のかゆみや炎症を抑えることができます。さらに、かさぶたを保湿しておくと、炎症が落ち着き、痛みが和らぎます。

ニキビの原因となる猫のかさぶた

person holding black and silver penこのタイプのニキビは、抗菌作用のある石鹸を使うだけなので、最も簡単に治療できます。過酸化ベンゾイル軟膏を使う人もいますが、試す前に獣医さんに相談したほうがいいでしょう。

ストレスが原因のかさぶた

ネコちゃんのストレスを解消する一番の方法は、ペットに十分な注意を払い、遊び、運動をさせることです。猫が退屈しないようにして、長時間一人にしないようにしましょう。VitaminAオイルを使うと、皮膚の炎症を抑えることもできます。

獣医師に連絡するタイミング

かさぶたができると、がんなどの深刻な健康問題を引き起こす可能性があるため、家庭での治療がうまくいかないことに気づいたら、すぐに獣医師の診察を受けるべきです。ペットが出血しているのを確認したら、すぐに猫を獣医に連れて行き、原因を特定して治療を開始してください。

よくある質問

猫のかさぶたには何を塗ったらいいですか?

痒みを和らげるためにステロイド外用クリームを使用し、猫が患部を掻いたり噛んだりしないようにします。

猫の粟粒状皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)はどうやって治すんですか?

猫の粟粒状皮膚炎の治療には、通常、抗ヒスタミン剤、脂肪酸サプリメント、コルチコステロイド、抗生物質を使用します。

猫の肌荒れはどうすれば治りますか?

鎮静作用のあるスプレー、薬用のシャンプーとコンディショナー、そして定期的な入浴が、猫の炎症した皮膚の治療に役立ちます。猫がアレルギーに苦しんでいる場合は、獣医に処方してもらったお薬を服用する必要があります。

粟粒状皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)はどのようなものですか?

粟粒状皮膚炎になると、猫の頭、首、背中の周りに赤くてカサカサした発疹ができます。

猫のかさぶたにワセリンを塗ってもいいですか?

はい。ただ、かさぶたの周りの皮膚は非常に敏感なので注意が必要です。