成分や食材に制限のあるドッグフードについて知っておくべき事

主なポイント

  • 成分制限食とは、平均的な犬の食事よりも含まれる成分が少ない食事療法のことです。一般的には、愛犬がこれまで食べたことのないタンパク質と炭水化物を1種類ずつ使用します。
  • 成分限定ドッグフードに含まれる原材料の数に決まりはありませんが、原材料は全体的にバランスの取れたものである必要があります。
  • 愛犬を「limited ingredient diet(成分制限食)」通称LIDに切り替えることは、愛犬が何かにアレルギーを持っているかどうかを判断する簡単で正確な方法です。アレルギーのリスクが低い食材から始めて、ゆっくりと新しい食材を愛犬に食べさせて、反応を見て、アレルギーの原因を突き止めるというものです。
  • 犬にとってLIDを食すその他のメリットとしては、平均的な犬の食事と比較して、低脂肪で高タンパク質の食事を摂ることで、消化が良くなり、消化器不調のリスクが低くなることなどが挙げられます。

統計によると、犬のアレルギーのうち約15〜20%の症例が食物アレルギーに関連していると言われています。しかし、犬の食物アレルギーが実際にどれだけ多いかについては、様々な議論があります。牛肉、鶏肉、乳製品、小麦で、犬の食物アレルギーの症例の79%を占めています。一方で、小麦以外の穀物にアレルギー反応を起こす犬は稀です。

含有成分・原材料が限定されたドッグフードは、通常のドッグフードと比較して含有原材料の数が少なくなっています。基本的には、犬の食の中の多様性が少ないと、食べ物に対するアレルギー反応は起こしにくくなります。愛犬がこれまでに触れたことのない製品にアレルギーを起こすことはありません。しかし、犬にとって成分を限定した食事は良いのでしょうか?LIDはどのように機能するのでしょうか?このままの記事を読み進めて、成分制限食の長所と短所を確認しましょう。

成分制限のあるドッグフードとは?

black and white short coated dog on white ceramic floor tiles

「limited ingredient(成分・原材料限定)」または「limited ingredient diet(成分・原材料限定食)」(以下LID)という言葉は、「limited ingredient dog food(成分・原材料限定ドッグフード)」という言葉よりも一般的です。LIDには通常、1つのタンパク源が含まれています。炭水化物については、サツマイモ、オートミール、玄米など、アレルギーを起こしにくい天然の炭水化物源を使用していることが多いです。

食材を制限されたLIDに含まれる食材の正確な数は決まっていません。唯一の条件は、平均的な犬の食事よりも少ない成分しか含まれていないことです。しかし、原材料を限定したドッグフードを愛犬に試す際には、その数よりも原材料そのものに注目することが大切です。

成分制限のあるドッグフードに含まれているもの

LIDにはさまざまな成分が含まれています。重要なのは、愛犬がこれまでに経験したことのない成分を探すことです。通常は、タンパク源(昆虫タンパク質を推奨)と健康的な炭水化物が含まれています。

タンパク源

原材料を限定したドッグフードには、以下のようなタンパク源のうちの1つが含まれます。

  • 魚(サーモン、トラウト、ホワイトフィッシュ、ニシンなど)
  • 昆虫
  • ワニ
  • ウサギ
  • チキン
  • カンガルー
  • バイソン
  • 七面鳥
  • 鹿肉
  • 豚肉
  • 羊肉(ラム)

中にはエキゾチックで珍しい動物の肉もありますね。愛犬のためのフード選びに迷ったら、goPetCanのドライドッグフードやウェットドッグフードなど、昆虫由来のペットフードを試してみてはいかがでしょう。最初は昆虫由来と聞いて珍しいと思うかもしれませんが、昆虫のタンパク質を使ったペットフードには、数多くのメリットがあります。例えば、食感や味は通常の肉のたんぱく質を使ったペットフードに近いのに、低アレルギー高タンパクで犬にとって健康的です。

raw meat in clear plastic pack

七面鳥、鶏肉、ラム肉など、通常のドッグフードに添加されているタンパク源を使用しているドッグフードは、犬が以前にこれらの肉を食べたことがある可能性が高いため、犬の食物アレルギー診断に使用するには適していません。

炭水化物

原材料を限定したドッグフードに含まれる一般的な炭水化物は以下の通りです。

  • じゃがいも
  • サツマイモ
  • 豆類
  • 玄米
  • レンズ豆(Lentils)
  • オートミール

穀物フリー vs. LIDドッグフード

穀物フリー食と成分制限のドッグフード(LID)は同じではありません。成分制限のドッグフードには、かなりの量の穀物(トウモロコシと小麦を除く)が含まれていますが、穀物フリー食には、以下のような従来のドッグフードに含まれている穀物は一切含まれていません。

  • 小麦
  • トウモロコシ
  • オートミール
  • 大麦
  • ライ麦
  • キノア

一般的なLIDには、1種類のタンパク質と1~2種類の炭水化物のみが含まれています。穀物フリーの食事には、LIDと違って、穀物以外の他の多くの成分が含まれています。

brown and black dried leaves

愛犬の食事をLIDフードに変えるべき理由

食物アレルギーの診断を行う際には、食材を限定したフードを与えることが推奨されています。皮膚や毛髪、唾液、血液などの検査では正確な結果が得られないため、犬のアレルギー症状の原因を正確に判断するには、この方法しかありません。

dog licking it's nose standing beside near empty food bowl犬の食物アレルギーの症状は様々で、耳、足、内股、顔、脇の下、肛門周辺などに現れることがあります。興味深いことに、食物アレルギーを持つ犬の最大25%が、耳の痒みに悩まされているとのことです。

食物アレルギーを持つ犬の10〜15%は、慢性的な下痢を含む消化器不調の症状を経験します。他には痒みの有無に関わらず、皮膚感染症を繰り返します。

サンディエゴ動物愛護協会の理事長であるGary Weitzman氏(DVM)は、食物アレルギーに苦しむ犬はごく一部であると言います。しかし、食材を限定した食事(LID)を試すことで、ペットがアレルギー反応や胃腸障害を起こすリスクを減らすことができます。ただし、ペットに制限食を与える場合は、全体的にバランスのとれた食材のみを使用していることを確認する必要があります。

LIDのリスクとは

子犬に食物アレルギーの疑いがあり、どのような食事に切り替えるべきか悩んでいる場合は、LIDで食材を限定したし食事を試す前に獣医師に相談してください。食物アレルギーの診断は厄介で、専門家の監督が必要です。

使用する食材を限定したLIDは、原材料が少ないからといって、愛犬に適しているとは限らないので注意が必要です。愛犬に今まで食べたことのないタンパク源で製造されたLIDのドッグフードを食べさせた場合、ペットがまだ試したことのない食材のアレルギー検査がさらに難しくなってしまいます。

原材料を限定したドッグフードを購入する際には、有害な「隠れた」原材料が含まれている可能性があるため、必ずラベルを確認する必要があります。最近の研究では、「原材料限定LIDペットフード」の33~83%に、ラベルに記載されていない原材料が含まれていることがわかっています。(外国での話です。日本ではさすがにここまで高くはないでしょう…。。)だからこそ、PetCanのような評判の良い会社が製造したLIDドッグフードを選ぶことが重要です。特定の食事が愛犬にとって良いかどうかわからない場合は、獣医に相談してください。

犬の食物アレルギーをLIDで診断

person holding brown and black airedale terrier puppy licking ice cream on cone

獣医皮膚科医は通常、犬のアレルギーを正確に診断するために、さまざまな検査を行うよりも原材料を限定した食事を行うことを推奨しています。また、犬の食物アレルギーの診断には、加水分解食がよく用いられます。このフードに含まれるタンパク質は、体がアレルゲンとして認識しない小さな粒子に分解されているのが特徴です。

愛犬が食物アレルギーを持っているかどうかを判断するためには、8~12週間程度、食材を限定したLIDの食事に切り替え、獣医のアドバイスにしっかり従う必要があります。また、アレルギーを引き起こす可能性のある香料入りの薬、人間用の食品、おやつ、香料入りのチューイング、おもちゃなどをすべて排除するか、代替品を用意しましょう。

愛犬が皮膚や耳の感染症にかかっている場合は、アレルギーの有無を検査するのと同時に、治療する必要があります。これにより、食事療法が成功したかどうかを判断することができます。

LIDドッグフードはベストな選択?

アレルギーがなくても、原材料の数が少ない方が健康的だというのは、よくある誤解です。しかし、栄養価の高い高品質な原材料でなければ、犬の健康効果は期待できません。

犬は、穀物ではなくタンパク質にアレルギー反応をを起こしやすいということを覚えておいてください。穀物フリーやグルテンフリーの食事も試す価値はありますが、これらは特定の食材が入っていないと言うだけで、食材を限定した食事(LID)ではありません。獣医師に相談して、すべての要素を考慮した上で、愛犬に最適な食事を決めてもらうのが一番です。

よくある質問

食材を限定したドッグフード(LID)は犬にとって悪いものですか?

成分制限食はアレルギー体質の犬にとっては良いものですが、獣医師が推奨するものに限ります。LIDフードは、食物アレルギーのない犬には必要ありません。

成分制限のあるドッグフードはグレイン(穀物)フリーと同じですか?

いいえ、LIDとグレインフリーの食事は同じではありません。成分制限食(LID)には、1種類のタンパク質と1~2種類の炭水化物しか含まれていません。グレインフリー食は、穀物を含まないだけで、他の多くの原材料を使用しています。

犬に最も多い食物アレルギーは何ですか?

犬にとって最も一般的なアレルゲンは、グルテンや、乳製品、大豆、ラム肉、鶏肉、牛肉、鶏卵などに由来するタンパク質です。