猫はラズベリーを食べられる?

red strawberry fruits

主なポイント

  • ラズベリーは、最低限の推奨量を守って与えていれば、猫にとって危険なものではありません。猫の体は食物繊維を消化するようにはできていないので、ラズベリーのような食物繊維の多いものを食べ過ぎると、お腹の張り、脱水症状、下痢、嘔吐、膨満感などの症状が出てきます。
  • ラズベリーには、免疫力を高めたり、糖尿病を管理したり、老化を遅らせたり、癌や変性疾患を予防したり、認知機能を向上させたりするなど、多くの健康効果があります。
  • ラズベリーは生でも冷凍でもおやつとして愛猫に与えることができます。推奨される最大量は、週に1~2回、1~2個のラズベリーです。
  • ラズベリー味のヨーグルト、ラズベリージャム、ラズベリーアイスクリームは、猫にとって危険なので与えないでください。

あなたが何か美味しいものを食べていて、ペットがそれを食べたがっていたら、「ダメ」と言うのは難しいものです。特に、ペットにまったく害がなさそうな新鮮な果物やベリー類をボウルに入れて食べているときはなおさらです。しかし、人間は猫とは異なる構造をしていることを忘れずに心掛けてください。ほとんどの果物や野菜は一緒に食べても問題ありませんが、少量でも摂取するとペットの命に関わるため、できるだけ猫から遠ざけたほうがいい食べ物もあります。

ラズベリーといえば、猫にとって危険なものではありませんので一安心できますが、あまり良いものでもありません。猫はもともと肉食動物なので、高タンパクの摂取が必要であり、必要な栄養分は主に肉を摂取することで達成されます。猫は果物や野菜を人間よりもはるかにゆっくりと処理するので、これらの食品を適度な量で与える必要があります。特定の果物が猫に危険を及ぼさないとしても、それを定期的に食事に取り入れるべきではありません。ラズベリーを定期的に摂取すると、猫の消化器系が乱れ、胃の不調や下痢などの軽度の問題を引き起こす可能性があります。

ラズベリーを食べることで得られるメリットとは?

ラズベリーは、他のベリー類と同じ仲間で、天然の抗酸化物質を多く含んでいます。ラズベリーには、カルシウム、マンガン、カリウムなどのミネラルや、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれています。人間がラズベリーを食生活に取り入れる理由はいくつかある。

  • ラズベリーは、免疫力を高め、癌をはじめとするさまざまな病気と闘うのに役立ちます。1カップのラズベリーで、1日のビタミンC推奨量の50%以上を摂取できる。
  • ラズベリーは吐き気を和らげ、黄斑変性症のリスクを軽減します。
  • 心臓の健康を改善し、インスリンレベルを下げることで糖尿病の管理にも役立ちます。
  • ラズベリーは糖分の少ない果物に分類されることから、減量や肥満に効果があると考えられています。
  • ラズベリーには食物繊維がたっぷり含まれており、この果物1カップには約8gの食物繊維が含まれています。ラズベリーに含まれる不溶性の食物繊維は、満腹感をもたらし、肥満のリスクを減少させます。
  • ラズベリーには抗酸化物質がたっぷり含まれており、酸化ストレスを防ぐ効果があります。酸化ストレスは、細胞内の抗酸化物質とフリーラジカルのバランスが崩れたときに起こります。細胞内の抗酸化物質の量がフリーラジカルの量よりはるかに少ない場合、フリーラジカルが細胞のDNAを傷つけ、癌などのさまざまな症状を引き起こします。ラズベリーは癌細胞の増殖を止めるだけでなく、癌細胞を殺すのに役立つエラギタンニンなどの化合物を含んでいます。
  • ラズベリーは関節炎を予防し、一般的な骨の健康に貢献します。
  • ラズベリーは、糖尿病、心臓病、癌などの様々な感染症を予防することで、老化を遅らせます。ラズベリーに含まれる抗酸化物質が、皮膚の炎症や傷跡を和らげることは特筆すべきことです。
  • 研究によると、ラズベリーは、含まれるフラボノイドにより、人間の高血圧や不安などのストレス関連の障害を軽減し、認知機能や脳力を全般的に助けることが証明されています。

 

ラズベリーは生で食べるのが一般的ですが、凍らせて食べることもできますので、夏のおやつに最適です。

どのくらいの量のラズベリーを猫に与えることができますか?

brown animal standing on wooden case near laptop computer一度にたくさんのラズベリーを猫に与えることは避けた方が良いでしょう。ラズベリーが猫にとって毒性がないからといって、与えすぎてはいけないということではありません。一つの製品を食べ過ぎると、人間と同じように猫にも悪影響を及ぼします。 

猫に与えられるラズベリーの最大量は、週に1~2回、たまに1~2粒程度にとどめておきましょう。それ以上の量を猫に摂取させると、ラズベリーに含まれるキシリトールの量が原因で、不快な結果を招く可能性があります。

キシリトールは、一般的な砂糖の代替品です。動物には毒性がありますので、大量に摂取することはお勧めできません。キシリトールを大量に摂取すると、血糖値が著しく上昇し、特に糖尿病の猫にとっては危険です。

猫がラズベリーに対してアレルギーや不耐性を持っているかどうかは、ラズベリーを半分与えて、ペットの反応を見ることで確認できます。もし猫がラズベリーにアレルギーがあると、便通が悪くなったり、お腹が張ったり、ガスが出たりすることがあります。

猫に対するラズベリーの副作用

推奨される量以上のラズベリーを一度に食べた場合、下痢、腹痛、脱水症状(便が非常に乾燥していることでわかる)、皮膚の炎症、胃の不調(膨満感、ガス、酸逆流、悪臭を放つ便など)、腎臓毒性、さらには腎臓障害などの症状が出る可能性があると言われています。これらの兆候が見られた場合は、すぐに猫を獣医に連れて行ってください。くれぐれも自然治癒を期待して放置しないようにしましょう。

胃腸の調子が悪い猫や子猫には、胃腸が敏感になっているので、ラズベリーを与えないようにしましょう。

猫にラズベリーを与えるには?

猫にラズベリーを与えるには、丸ごと、ピューレ状、または冷凍したものを与えるとよいでしょう。主なルールは、ペットに与える前にベリーをよく洗い、推奨される分量を守ることです。また、ラズベリーの色と強い香りに惹かれて、猫が食べたくなってしまうので、猫が届く場所にラズベリーを置かないようにしましょう。

ラズベリー風味の製品を猫が食べることはできますか?

white and red heart shaped cakeラズベリー風味のヨーグルト

ヨーグルトは健康的な食品として知られていますが、猫は人工的な甘いものが苦手なので、フレーバーヨーグルトよりもプレーンヨーグルトを好むでしょう。しかし、あなたの猫がラズベリーヨーグルトを好むかどうかを確かめるために、試してみることはできます。

猫がラズベリー味のヨーグルトを好むようであれば、その摂取量は最小限に抑えましょう。猫ちゃんはラズベリーやラズベリー味のヨーグルトが大好きかもしれませんが、好きなことと安全に消化できることは別物ですので、その点はご注意ください。

ラズベリージャム

ラズベリージャムには糖分が多く含まれているので、猫は絶対に食べてはいけません。また、この製品には人工的な香料が使われていることもあり、猫の食生活には影響を与えないようにしましょう。strawberry ice cream in clear glass bowl

ラズベリーアイスクリーム

ジャムと同じように、アイスクリームにも猫にとって有害な糖分や香料が含まれています。また、アイスクリームには大量の牛乳が含まれており、猫は乳糖に強い不耐性を持っています。さらに、凍ったアイスクリームの塊は、猫が喉に詰まらせる危険性があります。

ラズベリーの葉

red round fruit in green leavesラズベリーは適量であれば安全ですが、ラズベリーの葉には毒性があり、農薬や植物寄生虫の残留物が含まれている可能性があるため、猫が触れる可能性のある場所には置かないようにしましょう。ラズベリーの葉を食べた猫は、吐き気や嘔吐を起こします。

猫にどんな野菜や果物を与えたらいいの?

ラズベリー以外にも猫と一緒に食べられるものがあるのではないかとお考えの方のために、あなたと猫が一緒に食べられる、猫にやさしい果物と野菜のリストをご紹介します。

猫と一緒に食べれる果物

  • カンタロープ
  • ブルーベリー
  • イチゴ
  • ピーチ
  • スイカ
  • バナナ

猫と一緒に食べれる野菜

  • アスパラガス
  • ブロッコリー
  • セロリ
  • ニンジン
  • キュウリ
  • ズッキーニ
  • ピーマン

猫にとって危険な食べ物とは?

ここまでは、猫と一緒に食べても大丈夫なものをご紹介してきましたが、ここでは、絶対に猫に与えてはいけないもの、猫が手を伸ばしそうな場所に置いてはいけないものを簡単にご紹介します。これらの食品には毒性があり、死に至ることもあります。

  • アルコール
  • カフェイン
  • 脂肪の切り落とし
  • レーズン
  • パン生地
  • チョコレート
  • ブドウ
  • ナッツ
  • にんにく
  • 玉ねぎ
  • ガムや飴に含まれるキシリトール

よくある質問

ベリー類は猫に安全ですか?

ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クランベリーなどのベリー類は、適量であれば猫にも安全です。

猫が食べられるラズベリーの量は?

猫がラズベリーを食べる量は、週に1~2回、1~2粒が目安です。

猫がラズベリーを食べるのは危険ですか?

猫がラズベリーを食べ過ぎると、胃の不調、吐き気、脱水症状、皮膚の炎症、腎臓の損傷などの症状が出ることがあります。

猫はどのような果物を食べることができますか?

猫は、リンゴ、ブルーベリー、バナナ、種なしスイカ、イチゴを食べることができます。